歴史的風土(れきしてきふうど)とは|造園用語
英語:historical landscape,historic landscape
史的または郷土的意義を有し、風致上維持すべき土地や、周囲の優れた自然的環境と一体をなして歴史的風致を形成している文化的遺産。歴史的風土は、自然的環境と文化的遺産との二つの要素が結合することによって初めて成立する。わが国の歴史的風土を保存する目的で、1966(昭和41)年議員立法として制定された「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法」(通常 「古都保存法」と略称)によると、歴史的風土とは「歴史上意義を有する建造物・遺跡等が存在すること、そしてそれらの周囲に一体となった自然環境があること」を歴史的風土保存区域の指定要件に記述している。また、1977(昭和52)年日本で開催されたユネスコ主催の「歴史的風土の保存に関する国際シンポジウム」最終報告では、歴史的風土を、「その中に歴史的価値をもつ事物または一連の建物が共存しているランドスケープである」と規定し、さらに、「これは個々の時代文明や生活様式および形態の視覚的な知覚対象でもあり得る」と概念規定している。わが国の歴史的風土保存問題は、1966(昭和41)年の「古都保存法」の制定によって本格化したが、これは,東京大都市圏への人口集中によって歴史的風土が豊であった鎌倉に、「昭和の鎌倉攻め」とたとえられるように急激に宅地化が進行し、自然的環境と一体となった文化的遺産の破壊や、貴重な文化的遺産をはぐくんでいる自然環境が喪失 する危機にさらされたことによる。このため、国家的な歴史・文化的遺産と周囲の自然環境とが一体となって地域景観を醸し出している京都・奈良・鎌倉の主要地域については、歴史的風土保存区域や歴史的風土特別保存地区を地域指定し、これを保存しようとしたのである。

