圧気工法(あっきこうほう)(地山安定処理)とは

圧気工法(あっきこうほう)とは|トンネル用語

英語:pneumatic method、pneumatic excavation、compressed air method of driving tunnel
独語:Vortrieb unter Druckluft
仏語:excavation du tunnel avec l’air comprimé

帯水地山にトンネルを掘進する場合、切羽面の地下水圧に対応する圧縮空気を坑内に封入し、この圧気圧により切羽面からの湧水阻止と土留め作用によって、切羽を安定させる工法である。シールドトンネルでは、地山安定処理工法として最も歴史が古く、最も実績の多い工法であるが、土被り、土質、地下水位、トンネル断面の大きさ等の条件によっては、圧気効果が期待できない場合もある。圧気圧のとり方は、一般にシールド天端から2/3Dあるいは1/2D程度の深さの地下水圧に等しい圧力とする場合が多い(D:シールド径)。この場合、空気圧は切羽のいずれの部分にも同一圧力が作用するので、切羽上部は過剰圧気圧となり漏気・噴発の原因となる。特に、透気性の大きい地盤で大断面の場合はこの傾向が顕著となる。このため漏気が激しくなると、坑内空気圧の保持が難しくなり、シールド下端では圧気圧が不足することにより漏水防止が困難となる。一般に透水係数が10-2㎝/sを越えると、地山条件にもよるが圧気工法の効果は期待できなくなる。したがって、事前の現場透気試験などにより、圧気圧、空気消費量、限界圧気圧と漏気量などの関係を調査しなければならない。また、工事区域周辺の井戸、地下施設などを事前に調査し、漏気、噴発、酸欠空気などに対する対策を行う必要がある。なお、圧気下の作業を軽減するため、切羽にだけ部分的に圧気を使用する限定圧気(部分圧気)によることがあるが、テールシールからの漏気に対策が必要である。また、トンネルの掘削を終了した場合などには、断気して圧気圧を大気圧まで下げる。軟弱地盤では断気によって地盤沈下を起こすことがあるから、断気の方法には注意しなければならない。

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