しぜんしゅぎ【自然主義】とは

しぜんしゅぎ【自然主義】とは|一般用語

〔naturalism〕(1)〔哲〕存在や価値の根本に自然を考える立場の総称。(2)19 世紀後半に興った文芸思潮。観察を標榜する近代のリアリズム(写実主義)の延長上に,これを科学的に徹底し,理想化を排し人間の生の醜悪・瑣末(さまつ)な相までをも描出する。フランスのゾラ・モーパッサンなどが代表。この影響のもとに,日本では明治後期に島崎藤村・田山花袋などが輩出した。(3)美術で,自然の事物を忠実に再現しようとする作画態度。古典ギリシャの美術などにもみられるが,特に 17 世紀イタリアのカラバッジョやその後継者たち,さらには 19 世紀中頃のテオドール=ルソーらバルビゾン派や 19 世紀後半のクールべらの写実主義をさす。

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